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|ロシア語学科とは|ロシア語学科の歴史 | 教員紹介 |

ロシア語学科とは

【学問をするところ】

 
学校生活の中で最も中心的なことは「学ぶ」ということです。クラブやサークル、友だちづきあい、遊びといったことは、決して学校生活の中心になるものではありません。とくに、「12年の学校教育を修了した者」、「またはこれと同等以上の学力があると認められた者」だけが入学することのできる(学校教育法第56条)大学というところは、小中高校に比べて「学ぶ」という目的が何よりもまず優先されるべきところのはずです。「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的および応用的能力を展開させることを目的とする」(同第52条)からです。

 こうした前提にたって、
ロシア語学科では、語学系科目においては、ロシア語を使って仕事をすることができる能力、つまり即戦力となりうるロシア語の実践的な運用能力を習得することをめざし、また同時に、地域研究系科目においては、ロシア・ユーラシア地域の文化、社会、政治、歴史、経済などについて、総合的な知識を獲得することをめざしています。

 ロシア語学科の学生は、このように、ロシア語学科の語学系および地域研究系の学科科目を履修することによって、ロシア語習得とロシア地域研究を行うとともに、全学共通科目、外国語学部基礎科目、また必要に応じて外国語学部副専攻科目、他学部・他学科科目の履修を通じて、上智大学生にふさわしい高度で幅広い知識と教養を獲得することになります。また希望により、教職課程、学芸員課程などにおいて定められた科目を履修することによって、それぞれの資格を得ることもできます。

 つまり、
ロシア語学科では、ロシア語およびロシア地域についての専門的知識を身につけるだけでなく、社会の各分野において指導的人物になるにふさわしい幅広い知識と教養を兼ね備えた、国際社会において真に活躍できる有為な人材を育てていくことを目標にしています。

【準備をするところ】

 大学は長い人生の中では通過点にすぎません。ということは、大学を卒業したあとにも「何か」があるということです。そして大学は、その「何か」のための準備をするところです。つまり、大学での学問はその「何か」のための準備として行われなければなりません。この「何か」とは、多くの場合、就職や進学です。
大学の学生は、「大学を卒業したあとどうするか」を考えて学問をしなければなりません。

 ところで、現実問題として、ロシア語学科の卒業生全員がロシア語を使う仕事に就けるわけではありません。それは、法学部の卒業生全員が法律家になれるわけではないのと同じです。したがって、ロシア語学科の学生は、ロシア語もできる上智大生として卒業していくのです。その、ロシア語「も」できるというのは、ロシア語学科卒業生が、ロシア語だけでなく上智大学生としてふさわしい幅広い知識と教養を身につけた人材であるということを意味しています。いやむしろ、通訳その他のロシア語を中心とする専門試験をへて採用される各種の専門職を別として、ロシア語学科の卒業生も、一般には、本学あるいは他大学の法学部や経済学部あるいは本学外国語学部の他学科の学生との切磋琢磨を通じて、幅広い知識と教養を持った人材として一般企業に採用され、その上で、専門的技能としてロシア語ができるということによって、採用後にロシアに関係する部署等に配属されるチャンスがあるということなのです。

 ロシア語を含む学科試験をへて採用されるという仕事は一部の国家公務員や特定の国際機関職員に限られており、一般企業の多くは面接とせいぜい一般教養試験によって人材を採用するのが普通です。しかし、だからといって、ロシア語学科の学生がロシア語やロシア地域研究の勉強をおろそかにしてはいけません。それは法学部の多くの学生が司法試験を受けないからといって法律の勉強をしなくてもよいわけではないというのと同様です。法学部の卒業生には、たとえ司法職に就かなくとも、一定の法律知識と法的な考え方を身につけていることが求められています。それと同様に、
ロシア語学科の卒業生にも、ロシア語能力とロシアについての知識が備わっていなければならず、それこそがロシア語学科卒業生に求められている個性なのです。

【自由なところ】

 大学は制服もないし茶髪もピアスも禁止されていません。学問や研究は自由の中でこそ発展します。しかし学問や研究は全部が自由で勝手気ままなのではありません。学問や研究には法則や定理などの決まりごとが数多くあり、その積み重ねの上に、広大な自由があるのです。
学問や研究の大部分は、いわば煉瓦を一つ一つ積み上げていくような地道な作業です。ですから、最初から「大学は自由だ」と言って勝手気ままにしていたら、決して学問や研究はできません。

 ロシア語学科では2年生まで、週5日、毎日、必修ロシア語を学びます。言語は習慣と規則の体系です。その習慣や規則を覚えないことには一歩も先に進めません。初学者のうちは、まずは、暗記、繰り返し、そして学習を定着させるための宿題をこなしていくことが求められます。

 「なんだ、ちっとも自由じゃないじゃん」。そのとおりです。まずは規則を覚え、そのために繰り返し練習しなければなりません。皆さんも、小学生のときには、算数や国語の勉強をそのようにして始めたのです。掛け算の九九を暗記して初めて数学の世界に入れるのです。漢字を覚えて初めて読み書きの能力が身に付くのです。言語は覚えたら、覚えただけ世界が広がります。

 「そんな詰め込みなんて、学問じゃないじゃん」。そのとおり、確かに、詰め込みは学問そのものではありません。しかし、学問の基礎です。ゆっくり詰め込んでもいいのですが、詰め込まなければならない量は同じです。その上に、広大な学問の世界が広がっているということを決して忘れないでください。

【ロシア語学科というところ】

 ロシア語学科は、1957年(昭和32年)4月、上智大学文学部外国語学科ロシア語専攻として、1期生22名を受け入れて発足しました。翌年、外国語学科の学部昇格と同時にロシア語学科となり、これまでに約1900名の卒業生を世に送り出しています。
外国語学部各学科は、比較的少人数の同級生が長時間教室をともにして4年間を過ごす点で、一般の学部とは違った雰囲気をもっています。また、大半の新入生にとって未知の言語を初歩から学んで短期間で習得しなければならないために、とくに1、2年生のあいだは、毎日が暗記、予習復習、テスト準備などに明け暮れる点でも、やや特異といえるかもしれません。なかでもロシア語は日本での学習者が少なく、日本人にとっては馴染みの薄い性格をもっているため、これまで教員、学生は緊密な共同体意識を育て、そのことに強い誇りを抱いてきました。

 当初ロシア語学科を含む外国語学部各学科は、外国語の徹底的な訓練と習得を最大の特徴として発足しました。外国語学部のこの特徴は今日に至るまで継承されていますが、その後、語学教育のほかに、学部レベルでは国際関係論、言語学、アジア文化等の部門を副専攻という形で充実させ、また学科レベルではそれぞれの国(ないし文化圏)の地域研究を深化させ、総合的外国研究のシステムを構築しています。

 このような中にあって、ロシア語学科も、語学教育に関わる科目と同時に、人文科学・社会科学両面にわたる体系化されたロシア地域研究科目を配して、正確なロシア理解を深めようとしています。
他の国に対する正確な認識は、語学に始まり、伝統的文化から、さらに政治、経済、社会構造にいたるまでの、広く深い理解を抜きにしては育ちません。上智大学ロシア語学科は、このような、困難ではあるけれどもやりがいのある、大きな目標を実現するための共同体です。その構成員たる学生の皆さんが学科の伝統を受け継ぐとともに、未来へ向けた努力を続けていくことを、私たちは期待しています。