ポルトガル・ブラジル研究センターが設立されたのは、ポルトガル語学科(1964年4月設立)より5年早い1959年4月で、創始者は学科のヴェンデリーノ・ローシャイタ名誉教授です。ポルトガル語学科にとってセンターは姉妹機関であると同時に、産みの親的存在でもあるのです。

そこで簡単に歴史を振り返ってみると、第2次世界大戦後、ブラジル移住が再開し、日本企業のブラジル進出が1950年代後半に始まると、日本でブラジルについての情報を求める声が高まり、さらにポルトガル語を専門に教える語学学科設立の機運が出てきたのです。こうしたニーズを背景にして、上智大学がブラジル人でイエズス会神父のローシャイタ教授を招き、設立したのがこのセンターなのです。

当時の日本社会の要請に応えて、まずポルトガル語の夜間講座が開設され、さらにローシャイタ名誉教授の下で、ポルトガル・ブラジルに関する研究と教育に従事することのできる教師陣、さらにポルトガル・ブラジル関係の図書資料が集められました。こうした準備を経て、1964年にポルトガル語学科が発足される運びとなったのです。

今日、センターは学内外の人々を対象に多彩な活動をしていますが、学生諸君がとくに密接に関係するのは併設された図書資料室でしょう。ポルトガルやブラジルなどポルトガル語圏に関する参考書誌(「第10章」1参照)やポルトガル語の各種辞書、教科書のほか、学習に必要な基本的な書籍を閲覧できます。貸出もしています。

また、ブラジルの日刊紙『フォーリャ・デ・サンパウロ』(Folha de São Paulo)のほか、各種新聞、雑誌類もあります(第11章参照)。

なお、ポルトガル語学科では年間およそ400冊にのぼるポルトガル語の文献をセンターを通じて発注、購入していますが、これらについては中央図書館に所蔵、配架されています。

このほか、センターは次のような活動を行っています。

  1. テキストの購入や教材の作成、準備、情報の提供、相談など学科の支援活動。

  2. 1999年より研究誌Encontros Lusófonosを発行しています(年1回)。なお、それ以前はポルトガル語によるセンターの活動や日本についての情報を提供する“Notícias do Japão”をセンター創設2年目より、年1回発行していました。

  3. 文化交流活動。センターの主要な関心のひとつは日本、ポルトガル、ブラジルその他のポルトガル語圏諸国との文化交流を促進することにあります。そのための講演会やシンポジウム、セミナーの開催のほか、関係諸国から毎年、多数の訪問客を受け入れています。