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地域研究のすすめ はじめに |
| 本書は、フランスおよびフランス語圏の文化に関心をもち、この地域の研究を志す学生諸君のための地域研究のガイドブックである。 第1章[フランス地域研究とはなにか」は、日本におけるフランス地域研究の歴史をふりかえり、つぎにフランス研究の拡がりと方向をヨーロッパ研究の視点から検討したうえで、学際的で総合的な“フランス学”確立への展望をしめす「新しいフランス学をめざして」と、フランス語文化圏が成立するまでの歴史的背景にふれつつ、今日、フランス語圏がかかえるさまざまな問題について考察した「フランス語圏とはなにか」からなっている。 第2章「フランス地域研究をどのようにすすめるか」は、フランス研究をおこなうためにフランス語学科が編成したカリキュラムについて説明をくわえ、さらに各研究分野のゼミに参加することの目的と効用についてのべた「フランス語学科のめざすもの」と、新しい“フランス学”をすすめるうえで不可欠な地域研究的視座の重要性を確認し、地域言語の習得と地域研究との関係についても考える「地域研究としてのフランス研究」からなる。 第3章では、フランス地域研究の各分野を担当するフランス語学科のスタッフが、言語、文学、芸術、思想、歴史、経済、社会、政治など、フランス文化を構成するさまざまな事象についての研究方法について解説するとともに、研究の手がかりとなる基礎文献をあげ、さらに、各研究分野の理解をより深めるために学科内で開講されているゼミの内容を紹介している。 第4章「視野を拡げよう」は、フランスで刊行されている雑誌や各種の刊行物を参照するために利用できる学外施設の案内と、交換留学制度やフランス語コンクールおよびフランス語検定試験の実施要項についての説明にあてられている。 1980年代末にソ連・東欧圏における政治・経済の枠組みが崩壊したあと、政治的イデオロギーの破綻と民族意識の高揚、宗教の復権、地球規模ですすむ環境破壊などが国際情勢におおきな変化をもたらすなかで、世界の政治・経済・文化は分極化・多極化にむかう傾向を強めている。このような時代にあって、世界には英語文化圏のほかにもアジア文化圏、アラブ文化圏、フランス語文化圏、ドイツ語文化圏など、さまざまな文化圏が存在することを知り、これらの異文化圏を理解しようとつとめることは、われわれ自身の文化についての認識を深めるためにも欠かすことのできない知的作業といえよう。こうした見地にたって編まれた本書が、フランス地域研究にたずさわろとする学生諸君の勉学の一助となることを願ってやまない。
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