第4回映像ゼミナール 2007 晩秋
映画上映会 (解説付き)
2007年 11月29日(木)/ 12月1日(土) 入場無料
第4回映像ゼミナールでは、オーストリアと旧東ドイツの映画をご紹介いたします。オーストリアや旧東ドイツ製作の映画と言っても、ぴんと来る人は少ないかもしれませんが、普段なかなかお目にかかれない個性溢れる作品に触れる絶好の機会です。映画をご覧になったあとに、専門の先生方のお話も併せて聞いていただければ、大国の陰に隠れがちなオーストリアや、旧東ドイツという国についても、色々とイメージを膨らませていただけると思います。
第一部11月29日(木) 上映開始 15:15〜
会場:上智大学中央図書館3階,AVルーム(L‐304)
『七分の一の相続者たち』 Die Siebtelbauern ※上映は英語字幕
[監督:シュテファン・ルツォヴィツキー/オーストリア(1998),95Min]
解説 (ドイツ語): Christian Zemsauer (上智大学嘱託講師)

第一次大戦と第二次大戦に挟まれた時代のいつかあるとき、ドナウ北岸地方の小村で、一人の地主がよそ者の下女に殺害される。生前の彼は嫉妬深く偏屈で吝嗇、そのうえ小作たちをこき使うので嫌われていたが、その遺言には他の村人たちを罵る言葉とともに、財産を自分の小作たち全員に平等に分割して与える、との一文があった。彼には子供がいなかったので、その財産を一人で相続したいと考えた下僕頭が反対するも、彼を除く9人の小作たちのうち、他の村人たちからの迫害を恐れた二人の下女以外の7人が、それぞれ均等に農場への権利を共有して、生活を営んでいくと宣言し、奇妙な共同生活が開始される。小作の身分を逸脱し、封建的な常識から離れた生活をおくる彼らを、村人たちは「七分の一の地主たち」と呼び、様々な嫌がらせを加えていく。周囲からの迫害がエスカレートするなか、一瞬だけ幸福に輝いた彼らの生活は、しだいに壊れていく。地主を殺害した老女の正体は?事件の真相と、七分の一の相続者たちの運命は?美しいオーストリアの農村に渦巻く権力構造、その保守性と凶暴性が、静謐な映像と音楽の背後から鮮やかに浮かびあがる。
[フランダース国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭最優秀賞 受賞
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第二部12月1日(土) 上映開始
14:00〜
会場:上智大学8号館4階409教室階(8‐409)
東ドイツ(DDR)映画 講義
『嘘つきヤコブ』 Jakob der Lügner (日本語字幕付)
[監督:フランク・バイヤー/ 東ドイツ (1975) 100Min.]
解説: 渋谷哲也 (東京国際大学専任講師)
第二次世界大戦下の1944年、東ヨーロッパのとあるゲットー。 そこに収容されているユダヤ人ヤコブ(ウラディミル・ブロドスキ)は、ゲットーを管理するゲシュタポの見張り所の近くで、偶然にも、ソ連軍の進撃を伝えるラジオのニュースを耳にする。ヤコブは、このニュースをゲットーの仲間に知らせるが、そのとき彼は、ゲシュタポのところにあったラジオを聞いたとは言わず、禁制のラジオを自分が持っていると嘘をついてしまう。以来、毎日にようにヤコブの口からニュースを聞きたがる仲間に対して、ヤコブは話をでっち上げ、解放の日が近い、と伝える。仲間はそのたびに歓喜し、後を絶たなかった収容者の自殺も止んだ。仲間が生きる希望を失わないようにと、ヤコブは嘘を重ねるが、そのうちに嘘はどんどんと大
きくなり収拾がつかなくなっていた。ある日、ついにヤコプの嘘がばれるときがくる。ヤコブがラジオを持っておらず、彼の伝えるニュースが作り話であることを、一人の少女に知られてしまうのだ。しかし、すでにそのとき、ゲットーの皆が強制収容所に送られる日が目前に迫っていた・・・。
ちなみに本作品はハリウッドでリメイクされ、日本でも『聖なる嘘つき〜その名はジェイコブ』(1999)という邦題で公開されている。主人公のジェイコブ(ヤコブ)を演じるのはロビン・ウィリアムス。
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